Column Restaurants with Pristine Japanese Rice 日本産米がおいしいレストラン

JAPAN RAIL CAFE in Singapore 気軽に楽しめる日本食メニューで日本への旅心をかき立てる

忙しく働くシンガポール人には3食とも外食だという方も多く、多民族国家らしく各国料理が気軽に楽しめるフードコートが人気です。人口の約7割が中国系で米食文化のシンガポールでは、バラエティ豊かな米が売られています。主流はジャスミン米やバスマティ米ですが、ジャポニカ米も日本産、中国産、アメリカ産などがスーパーに並んでいます。

シンガポール料理の代表格でもあるチキンライス(海南鶏飯)などに使われるのは、ぱらりとした食感のジャスミン米。インド料理や中東料理にはスパイシーな香りを持つバスマティ米。そして、寿司や丼もの、おにぎりなどには粘りとほのかな甘みが特徴の日本米というのがシンガポールの定番です。

JR東日本現地法人運営の「JAPAN RAIL CAFE」は、コアな日本愛好家をターゲットに、「旅」を軸として日本文化を発信するカフェです。シンガポール経済の中心地であるタンジョンパガー駅に直結する商業ビルの1階にあり、2016年のオープン以来、おにぎり、カレー、定食など気軽に楽しめる日本食メニューが人気です。使用するのは全て日本産米。日本人シェフに指導を受けた調理スタッフが料理を提供し、料理で日本への旅心をかき立てています。

今回は、JR CAFE事業企画担当の谷部伯礼(やべのりあき)さん、マーケティング担当のアフィック・シャムさんにお話を伺いました。

「JAPAN RAIL CAFE」はどんなカフェですか?


「JAPAN RAIL CAFE」は、2016年にオープンしたJR東日本が運営する、日本の旅行情報や文化を発信するカフェです。店内では毎月、日本各地とコラボレーションして、地域の観光情報や特産品を特別メニューや日本酒を通じて提供しています。広い店内ではイベントやミーティングも可能で、プロジェクターを活用して自治体のコンテンツ発信にも対応しています。飲食を楽しみながら日本の魅力を多角的に体験できるトラベルコンセプトカフェです。

お店の理念や使命を教えてください


「JAPAN RAIL CAFE」の使命は、美味しい食事を提供するというだけでなく、日本の食・情報・体験をシンガポールの方々に発信することです。それにより日本を好きになってくれる方が増え、日本へ旅をし、シンガポールへ戻ってから日本の良さを伝えてくれる。そんな方を増やすことが大切だと考えています。幅広い層のお客様に来ていただくため、料理やサービスをリーズナブルに提供したいと考えています。


日本産米も大切な日本文化のひとつ。それを伝えたい

日本産米を使用するのはなぜですか?

私たちが日本産米を使用するのは「本物」を届けるためです。当店の定番メニューはカレー、そして、カレーとハヤシが一つの皿に載っている「ハフハフライス」で、おにぎり3種に合わせてサバや卵焼きが入っている「ジャパンレールカフェプレート」も人気です。いずれも日本人になじみのある料理です。当店のメニューは日本産米の使用を前提に作られているので、他のお米を使用すると味も品質も損なわれてしまいます。

日本産米も大切な日本文化の一つ。そういった意味でも、日本文化を伝えるプラットフォーム「JAPAN RAIL CAFE」として、日本産米を使用することにこだわっています。

日本産米はどの品種を使用していますか?

 現在使用しているお米は宮城県産米です。宮城県産米は安定した品質と風味で広く愛されています。どの季節でも味や食感に大きな差がなく、常に一定の美味しさを提供してくれるため、1年を通して安心して使えます。また、安定的に仕入れられますので、いつでもお客様に日本産米の美味しさを楽しんでいただきながら、おかずやメインディッシュで食材の幅が増え、料理全体のクオリティが上がりました。

お客様には日本産米の炊き立ての美味しさを味わっていただきたいという思いで、お米は炊き立てにこだわっています。シンガポールの水は軟水なので、日本で食べるのと変わらない日本産米の美味しさを実現できています。

今後の展開を教えてください


当店では、現在「丼もの」や「定食」など、主にごはん系のメニューを提供しています。今後のコラボレーションメニューもごはん系を中心に展開する予定です。12月には茨城県とのコラボレーションを予定しており、水産物を使用した新しいメニューをお届けしたいと考えています。2025年1月以降も各県とコラボしていくことが考えられますが、どの県であっても日本産米がメニューを支えてくれるでしょう。

「JAPAN RAIL CAFE」はシンガポールで唯一のトラベルコンセプトカフェで、日本産米を使用した本格的な日本食を手軽に楽しめる場所です。日本文化や観光情報を発信するプラットフォームとしての役割も果たしており、特別メニューや自治体とのコラボレーションを通じて、日本各地の魅力を紹介しています。

海外にある日本食レストランは敷居が高いイメージを持たれがちですが、「JAPAN RAIL CAFE」では、リーズナブルな価格設定と親しみやすい雰囲気が特徴です。多くの人が気軽に日本産米の美味しさを体験できる機会を提供しています。このような体験が、日本への旅を計画するきっかけにもつながり、現地での食体験を通じて日本文化への関心もさらに深まることでしょう。

「JAPAN RAIL CAFE」は、日本食を通じて日本とシンガポールを結ぶ架け橋の役割を果たしています。日本への「旅心」が生まれる場として、多くの人々に愛されています。

シンガポールで日本産米を美味しく炊くコツ

シンガポールで日本産米を美味しくいただくには、日本で炊く時と同じ手順を守って炊飯するのがポイントです。まず、適切に洗米し、余分なぬかを落とします。特に日本産米はデリケートな風味が特徴ですので、ぬかをきちんと落とすことで炊き上がりが格段に変わり、美味しくなります。洗米後は30分から1時間程度、浸水させましょう。米に十分に水を吸収させるためです。これがふっくらとした仕上がりを生むカギです。シンガポールの水道水はそのままでの飲用にも適しており、日本の水と同様にそのまま炊飯に使用できるため、ミネラルウォーターを準備する必要はありません。炊きたてのご飯を楽しむためにも、タイミングよく炊き上げることも大切です。

シンガポールで日本産米を美味しく食べるコツ

もちっとした食感と甘みのある日本産米は、チキンライス(海南鶏飯)といったローカル料理には少々馴染みにくい場合がありますが、抜群の相性を発揮する料理もあります。例えば、シンガポールの「エコノミーライス」スタイルでは、日本産米が真価を発揮します。エコノミーライスとは、数種類のおかずから好きなものを選び、白米と一緒に楽しむ食事です。このスタイルでは、日本産米のもっちりとした質感がおかずの味を引き立て、食事全体の満足度を高めてくれます。特に魚や煮物、卵料理といったシンプルな味付けのおかずとの相性が抜群です。さらに、お弁当や丼ものにも日本産米の美味しさが活きてきますので、家庭でもその魅力を存分に楽しむことができます。

JAPAN RAIL CAFE

ジャパンレールカフェ

最寄り駅:Tanjong Pagar
営業時間:月~木 11:00-21:00/金 11:00-21:30/日 11:00-20:00
定休日:なし
https://www.japanrailcafe.com.sg

Address

Guoco Tower, 5 Wallich Street, #01-20 S078883 (Googlemaps)