Japan Rice
Climate & Production
日本の気候と米作り
東日本と西日本のエリアに分けて、気候の特徴、このエリアで親しまれている品種と生産地の紹介、特徴的な品種および新品種とお米と産地にまつわる豆知識を紹介します。
Characteristics of the climate in the eastern Japan region 東日本エリアの気候の特徴
東日本、特に東北地方では、米作りを行う5〜10月ごろは昼夜の温度差が大きく、さらに夏季にはフェーン現象により日中の気温が上昇するため、より夜間との寒暖差が生まれやすいという特徴があります。このように寒暖差が大きいことにより、お米に蓄えられるでんぷんの量が増えるため、もちもちと粘り気のある甘いお米が育ちやすいです。また、北海道では、土壌の改良やお米の品種開発など長年の努力により、 本来は栽培に向かない冷帯地域であるにもかかわらず美味しい米作りが可能に、今では日本国内での収穫量の上位を誇っています。
Varieties popular in this area このエリアで親しまれている品種
Nanatsuboshi / ななつぼし
ほどよい甘みとしっかり感でバランスの良いあっさりとした食感が特長です。 冷めてもおいしい品質で、お弁当やお寿司などによく使われています。
Production area
北海道
Akitakomachi / あきたこまち
バランスの良い旨み、粘り、甘みを備え、ふっくらとした粒立ちと気品のある香りが人気の秘密です。
Production area
秋田県
Sasanishiki / ササニシキ
炊き上がりの香りの良さと、ほどよい硬さの食感が人気のロングセラー。くどさのないさっぱりとした味わいで、お刺身や煮物といった和食とよく合います。また、酢飯にも向いています。
Production area
宮城県
Koshihikari / コシヒカリ
新潟県産コシヒカリは、トップブランドとして長年支持されている、米どころ新潟を代表するお米。独特の甘みと粘り、炊いた時の艶やかさ、香りの良さで不動の人気を誇ります。
Production area
新潟県
Characteristic varieties 特徴的な品種
Iwaki Laiki / Iwaki Laiki
いわき市が「東北のハワイ」とも呼ばれることから、フラガールと共に企画されたお米ブランド、いわき産コシヒカリです。「ライキ」とはハワイの言葉で「神聖な食べ物である米」を意味します。粘り、甘み、食感のバランスがよく、さっぱりとして食べやすい味わいです。
Production area
福島県
Yuudai 21 / ゆうだい21
1990年に栃木県の大学教授が農学部附属農場 で偶然発見した稲穂の株を元に、20年もの年月をかけて開発し2010年に品種登録された、 国立大学生まれのお米。数多くの品評会で高い評価を得ています。大粒で噛むほどに甘みを感じられる美味しさです。
Production area
栃木県
Trivia お米と産地にまつわる豆知識
Rice and Japanese traditional events
お米と日本の伝統行事
昔から、稲の豊作を祈願するためにさまざまな祭りや神事が執り行われ、今も続いています。例えば、稲が成長する夏に行われる虫送りは害虫を追い払い、風まつりは」や風神に風が荒れないように祈る農耕儀式。そして、「弘前ねぷた祭り」や「青森ねぶた祭り」などは、農業の多忙期前に睡魔や怠け心を流すための行事として歴史のある東北のお祭りです。
Hokkaido, one of the nation’s leading rice producing regions
全国有数のお米産地 北海道
冷帯地域で“泥炭地”という作物を育てるには向かない平野が広がっていた 北海道は、かつてはおいしいお米の栽培ができない産地と言われていました。けれども、土壌の改良、寒さに負けないお米の品質の開発を着実に進め、気候の変動などさまざまな要因が重なり、近年では品質の高いお米を収穫できる、全国でも有数のお米の産地になりました。
Conditions suitable for rice cultivation Niigata Prefecture
お米栽培に適した産地 新潟県
日本全国でお米の作付面積、収穫量1位の新潟県。その理由は、おいしいお米のできる条件でもある昼夜の寒暖差がある気候、そして、広大な野と日本最長の川が流れる恵まれた地形にあります。また、お米の品種改良にも積極的に取り組みました。昭和6年には「農林1号」という品種が誕生、これを親として昭和31年に登場したのが「コシヒカリ」です。
Characteristics of the climate
in the western Japan region
西日本エリアの気候の特徴
西日本は、暖流の黒潮の影響を強く受けるため高温多湿となり、米作りに適した気候で昔から米どころが多い地域です。けれども、近年は地球温暖化が進み、高温すぎることによる米の品質の変化、例えば米が白く濁る白未熟粒の発生など、品質への影響が問題になっています。そのため、高温耐性を改良した品種が数多く開発されるようになりました。こうした高温条件下での品質と安定多収を両立した品種栽培への積極的な取り組みは、とりわけ九州地域の米の産地、佐賀県、熊本県等の収穫量の底上げにも繋がっています。
Varieties popular in this area このエリアで親しまれている品種
Koshihikari/ コシヒカリ
日本の様々な地域で収穫されるコシヒカリは、『東の魚沼(新潟県)、西の丹波(兵庫県)』と言われるほど、兵庫県でも高い評価を受けています。香りが良く、粘り気があり食感に優れ、つやつやとして見た目にも美しい、バランスの良さが特徴の品種。冷めてもおいしく、お弁当やおにぎりにしても炊き立てと変わらない味を楽しめます。
Production area
兵庫県
Akebono / あけぼの
大粒で、粘りが強すぎず、適度な硬さで歯ごたえがあります。寿司米・どんぶりご飯、チャーハン等にも適しています。
Production area
岡山県
Yumetsukushi / 夢つくし
おいしさで定評のある「コシヒカリ」と丈夫で栽培しやすい「キヌヒカリ」を掛け合わせつくられたお米。つややかな光沢ともちもちとした食感が人気の福岡を代表するお米です。
Production area
福岡県
Yumeshizuku / 夢しずく
関西地域で栽培が盛んな「キヌヒカリ」と宮城県が主な産地である「ひとめぼれ」の交配によって生まれた品種です。 ほどよい粘りがありおいしく、食欲をそそるふっくらでつやのある光沢が高い評価を受けています。
Production area
佐賀県
Characteristic varieties 特徴的な品種
Kyoshikibu/ 京式部
平安時代中期の歌人「紫式部」をイメージして命名されたという、雅な京都にふさわしい香り高いお米。京料理人やお米マイスターなど味覚のプロを交えて、時間をかけて開発された新しいブランド米です。炊き上がりの香りと白く美しいつや、上品な甘味で注目されています。
Production area
京都府
Morinokumasan/ 森のくまさん
日本を代表する文豪「夏目漱石」が熊本在住時代に豊かな緑に感嘆し「森の都熊本」と表現したことから、「『森』の都『熊』本」で「生『産』」と名付けられた熊本オリジナルブランド米。うま味ともちもち感が特長です。熊本県のご当地キャラクターである「くまモン」がパッケージに描かれた商品もあります。
Production area
熊本県
Trivia お米と産地にまつわる豆知識
The relationship between sumo and rice
相撲とお米の関係
日本の国技と言われる相撲は、その年の農作物の収穫を占う儀式として、現在の奈良県桜井市(垂仁天皇が都を築いた場所)で始まり、宮廷行事として長く続けられたという説があります。土俵の中央には穴を掘り、その中にお米などの六品の縁起物が沈められており、土俵を囲う俵は稲わらを加工したものです。
The earliest new rice in Japan
日本で一番早い新米
日本で一番早く新米を収穫できるのは、西日本エリアの沖縄です。沖縄は本土と比べて1年中温暖な気候です。そのため、米の二期作を行なっているところも多いです。石垣島の「美ら米(ちゅらまい)」は、6月頃と11月頃の1年に2回稲刈りの時期があり、6月分は日本で一番早い新米が食べられると人気があります。
Roots of Japanese rice
日本のお米のルーツ
日本に稲が伝わったのは今から3000年ほど前、縄文時代の終期だと言われています。経路に関しては複数の説がありますが、福岡県福岡市の板付遺跡をはじめ、九州地方の縄文遺跡から水田の跡など、稲作が行われていた痕跡が発見されています。また、中国の福建米(赤長米)が縄文時代に日本に伝わり福井県で栽培されていたという話も伝わっています。